# 記録に残る世界最古のクレームは、紀元前1750年

配信日: 2026-09-04(夕18:00配信) / 通巻 第127号 / カテゴリ: 歴史

頼んだ品質と違う。担当者の態度も悪い。金は払ったのに現物が届かない——カスタマーサポートに届く苦情の型は、だいたいこの三つに収まる。では、その型のクレームの最古の記録はいつのものか。なんと、紀元前1750年頃である。

証拠品は、イラク南部の古代都市ウルの遺跡から出土した、高さ11.6センチ、幅5センチほどの粘土板。書き手はナンニという客で、宛先はエアナーシルという銅商人。楔形文字でびっしり刻まれているのは、買った銅が粗悪品だったという苦情だ。ギネス世界記録はこれを「世界最古のクレーム文」として認定している。発見したのは、1920年代からウルを掘っていた考古学者レナード・ウーリー。粘土板はその後、大英博物館の所蔵品になった。

ナンニの言い分はこうだ。代金を持たせた使いの者を送ったのに、出されたインゴットは約束された品質ではなかった。エアナーシルはそれを使いの者の前に並べて「要るなら持っていけ、要らないなら帰れ」と突き放したという。使いの者は乱暴に扱われ、こちらは支払い済みなのに銅は手元にない。そしてナンニは最後にこう宣言する。今後あなたから良質でない銅は受け取らない、インゴットは自分の庭で一本ずつ選ばせてもらう、と。怒りの表明と、取引条件の再設定。3700年以上前の文書なのに、組み立て方が現代のクレームメールとほとんど同じである。

ちなみに、エアナーシルの住居跡とみられる場所からは、別の粘土板も見つかっている。アルビトラムという人物が銅がまだ届かないと訴えるもの、そして粗悪な銅を受け取るのはもううんざりだと書かれたもの。世界最古のクレームを受け取った男は、どうやら常習犯のだったようだ。

## 出典

- [エアナーシルへの苦情粘土板](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%8B%A6%E6%83%85%E7%B2%98%E5%9C%9F%E6%9D%BF) — "紀元前1750年頃に書かれた、高さ11.6cm、幅5cmのこの粘土板は、商人エアナーシル（Ea-nāṣir） が粗悪な銅をナンニ（Nanni）という顧客に販売したとされる取引の成り行きを記録している。"
- [Oldest written customer complaint | Guinness World Records](https://www.guinnessworldrecords.com/world-records/537889-oldest-written-customer-complaint) — "The oldest written customer complaint is the 'Complaint tablet to Ea-nasir' and is 3767 years old, acquired by the British Museum (UK) in London, UK, in 1953."(major)
- [Complaint tablet to Ea-nāṣir - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/Complaint_tablet_to_Ea-n%C4%81%E1%B9%A3ir) — "The tablet documents a transaction in which Ea-nāṣir, a trader, allegedly sold sub-standard copper to a customer named Nanni."(major)

## こちらもちなみに

- [郵便局の規定の抜け穴を全部試した男、最後は自分自身を「手紙」として郵送した](https://chinamini.app/a/2026-08-28/evening.md)
- [被告人ならぬ被告石？「石そのもの」が訴えられた裁判](https://chinamini.app/a/2026-09-03/morning.md)
- [ギネス世界記録は、1人の男の言い訳から始まった](https://chinamini.app/a/2026-09-01/morning.md)

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