# 山手線を真っ黒にしたNetflix、条例をすり抜けた驚きの広告手法

配信日: 2026-10-07(朝7:00配信) / 通巻 第189号 / カテゴリ: 文化

東京都の屋外広告物条例には、電車の車体広告の大きさについて細かい決まりがある。車体の一つの外面に表示できる広告の面積の合計は、その面の10分の1以下。だから山手線のラッピング電車は、窓の下あたりにキャラクターが小さく並ぶ程度の、いかにも控えめなものになる。宇宙兄弟やけいおん!のラッピング車両が「ずいぶんささやかだな」と話題になったのも、この10分の1ルールのせいだ。

ところが2022年10月、全身を真っ黒に塗られた山手線が走り出した。Netflixが1編成をジャックしたコラボ車両で、黒い車体のあちこちにNetflixのロゴがあしらわれている。遠目に見れば、あの赤と黒のデザインそのもの。10分の1どころの話ではない。当然SNSでは「これ条例違反では?」という声が上がったが、違反はしていなかった。申請された広告は、「N」のロゴと「NETFLIX」の文字だけだったのだ。

なぜそれで通るのかというと、企画の建前上、あの黒塗装はNetflixの広告ではないからだ。鉄道開業150年を記念して、JR東日本が開業時の1号機関車をイメージして車体を黒くした——つまり、ただの車体の色という扱いなのである。黒が車体そのものの色でしかないなら、広告として面積を数えるべきはロゴと文字だけ。それなら余裕で10分の1に収まる。この仕組みを紹介した弁護士も、「それ以外は、ただ山手線が黒いだけ」と解釈することで基準内に収めたのだと説明している。山手線は原則としてフルラッピングができない車両だが、解釈と交渉でここまでできてしまうのだ。

車内も手が入っていて、『イカゲーム』など人気作14本の世界観を再現した空間になっていた。運行は10月1日から12月31日までの期間限定。黒く塗装された山手線は、150年前の鉄道開業以来これが初めてだった。記念事業と広告がぴったり重なった、絶妙な一編成である。

ちなみに、この手法自体は初めてではない。山手線の命名100周年のときには、復刻カラーのチョコレート色にラッピングされた車両が走っている。そこに明治製菓の商品やロゴが入り、車体全体がまるごとチョコレートのような見た目になっていた。記念企画の色に便乗するというアイデア自体は、実は前例のあるものだったのだ。

## 出典

- [全身真っ黒の「黒い山手線」、広告として申請したのはロゴ2つだけだった](https://news.livedoor.com/article/detail/32467517/) — "Netflixが山手線を1編成まるごと黒くラッピングした際、申請した「広告」は側面の小さな「N」ロゴと「NETFLIX」の文字だけ。残りの黒塗装そのものは「広告ではなく車体の色」という扱いにして、規制の数字をそのまま満たしてしまった。"
- [Netflixコラボの「黒い山手線」が登場したが、ネットでは都条例のくぐり抜け方が話題に](https://news.mynavi.jp/article/20221007-2474921/) — "車体の『黒いラッピング』は東日本旅客鉄道が150周年を記念して企画したものであり、広告は『Netflixのロゴマークである赤いN』のみ。"(major)
- [山手線がNetflixにジャックされてるが条例違反では？→頭の良すぎる発想で条例をクリアしていた](https://togetter.com/li/1954690) — "これおそらく、車体の黒い部分は広告でなくロゴのNのみを広告として取り扱うことにしましょって言って屋外広告物条例を潜り抜けさせたヒーローがいる。"(web)

## こちらもちなみに

- [ロンドンのタクシー運転手試験は、脳の形が変わるほど難しい](https://chinamini.app/a/2026-08-14/morning.md)
- [『茶色いM&M'sを1粒でも置いたら公演中止』――ロックスターの我儘、その意図とは](https://chinamini.app/a/2026-09-13/evening.md)
- [テレビの向こう側にあるGoogle Homeに語りかけたバーガーキングのCMが、炎上した理由](https://chinamini.app/a/2026-08-24/evening.md)

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