# 放し飼いを禁じるカナダの条例で、養蜂家が違法になりかけた

配信日: 2026-10-27(朝7:00配信) / 通巻 第226号 / カテゴリ: 文化

ペットは柵の中で飼うか、リードにつないで外に出す。動物を飼う人なら誰もが知っている基本のルールだ。カナダ東部の港町ハリファックスも2015年、動物の飼い方を定めた条例A-700に、この常識をそのまま条文として書き込んだ。飼い主の敷地の外に動物を出してはならない。ただし、逃げ出せない容器に入れるか、ハーネスにつないでいる場合を除く——と。

犬や猫を想定した、どこにでもありそうな一文である。ところが、この条文が思わぬ相手にも当てはまってしまった。ミツバチだ。

養蜂家の巣箱で飼われている働き蜂は、花の蜜や花粉を集めるために毎日のように外へ飛び立っていく。蜜源の花が飼い主の庭の中だけに咲いているはずもなく、蜂は隣の庭へ、街路樹へと勝手に出かける。条例の文言をそのまま読めば、これは立派な違反だ。かといって、逃げ出せない箱に閉じ込めれば蜜は一滴も採れないし、ハーネスをつなぐにはミツバチは小さすぎる。

市の職員が議会に提出した報告書も、この穴をはっきり認めている。「養蜂家が州の登録を受けていても、ミツバチが敷地から出ていくという行為そのものが、飼い主を条例違反にしてしまう」。

この条例は、ミツバチを「毒を持つ昆虫」として禁止対象にも挙げていた。ただしノバスコシア州には養蜂を許可・規制する蜂産業法があり、州や連邦の規制下にある動物は条例の適用除外になる。そのため毒虫扱いのほうは自動的に効力を失い、問題として残ったのが外出禁止の条文だった。

報告書は、ミツバチを禁止昆虫のリストから外すよう勧告した。あわせて、蜂の習性と州法に登録された養蜂家を認める条項を新たに設けるよう求めている。背景にあるのは、趣味の養蜂の広がりである。ノバスコシア州では4年間で愛好家の養蜂が73パーセント増えた。世界的な蜂群崩壊症候群で減った蜂の数を取り戻そうと、若い世代が次々に巣箱を持ち始めていた。改正は蜂の回復を後押しし、ひいては作物の収穫量や生態系にも効いてくる、というのが市側の説明だ。

そして2016年、正式に登録された養蜂家が飼育するミツバチに関しては、条例A-700の禁止対象から除外するという改正案が採択された。

ちなみに、新設された条項はミツバチ専用で、同じように飼い主の敷地から飛び立って戻ってくる伝書鳩には触れていない。文言どおりに読む限りでは、鳩が空を飛ぶのは今も条例違反のままである。

## 出典

- [カナダの条例、ミツバチを「飼い主の敷地から出たら違法」にしてしまった](https://www.thecoast.ca/news-opinion/hrm-accidentally-outlawed-bees-but-is-going-to-fix-it-5445198/) — "the act of the bees leaving the owner's property puts the owner in violation of the Bylaw"
- [Halifax ponders bylaw change to allow beehives in city backyards](https://www.cbc.ca/news/canada/nova-scotia/halifax-animal-bees-bylaw-1.3668280) — "We had a clause within our existing animal bylaw that, unknowingly when we passed that bylaw in 2015, would have prohibited bees if you are a registered beekeeper from allowing the bees to actually fly off your property"(major)

## こちらもちなみに

- [酔っ払ったミツバチは、自分の巣に入れてもらえない](https://chinamini.app/a/2026-08-04/evening.md)
- [「モルモット1匹だけ飼い」はスイスでは違法](https://chinamini.app/a/2026-07-22/morning.md)
- [法律上「魚」扱いされたハチがいる](https://chinamini.app/a/2026-08-21/evening.md)

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