配信: 2026-07-26 07:00(JST)
朝刊
生き物第46号

ゾウは仲間の骨がすっかり朽ちた後も、わざわざその場所を訪ねてくる

チナミニチンチラが読み上げます(4分11秒)

「ゾウの墓場」という言い伝えを聞いたことがあるだろうか。年老いたゾウは死期を悟ると群れを離れ、みんな同じ秘密の場所へ行ってひっそりと息を引き取る、という有名な俗説だ。もちろんこれは創作にすぎない。だが皮肉なことに、現実のゾウの行動は、この俗説よりもさらに不可思議で、そして胸を打つものだった。

野生のゾウは、仲間が命を落とした場所に本当に足を運ぶ。ただし秘密の墓場に集まるのではなく、遺体一つひとつのもとを、ゆっくりと時間をかけて訪ねてくるのだ。研究者たちが記録してきたところによると、ゾウは物言わぬ骨の山に静かに近づき、頭骨や牙にそっと鼻先で触れる。骨に沿って鼻を這わせて匂いを嗅ぎ、しばらくその場から動かずにたたずむこともある。ここまでなら「悼んでいるようだ」という印象で片づけられるかもしれない。しかし本当に不思議なのはここからだ。一部の個体は、遺体が白骨化してからさらに長い年月が経過したあとになっても、同じ場所をわざわざ再訪することが確認されている。肉も皮膚もとうに失われ、匂いの手がかりもほとんど残っていないはずの、ただ骨だけが転がる場所に、である。

さらに興味深いのは、骨を訪ねてくるのが必ずしも亡くなった個体の家族とは限らない点だ。研究者のシャノン・ゴールデンバーグが、ある死骸のもとを数週間後に再訪したところ、そこには血縁関係のない三つの異なる家族群のゾウたちが、それぞれ骨を調べにやってきていた。つまりこの行動は、身近な仲間だけに向けられる特別な感情の発露というより、「ゾウの骨」というもの自体に対して、種として広く共有されている強い反応である可能性が高い。骨の場所を覚えていて再訪するには、視覚や嗅覚の手がかりがほとんど残っていない状態でも位置を記憶し続ける必要がある。ゾウは離れた仲間の鳴き声を何十年も覚えていられるほどの驚異的な記憶力を持つ動物として知られており、骨を訪ねる行動もその並外れた記憶力と無関係ではないだろうと考えられている。

では、これは本当に人間で言う「悲しみ」なのだろうか。生物学者たちはここで慎重な姿勢を崩さない。骨に触れ、長時間じっとたたずむ行動は、確かに人間の目には哀悼の儀式のように映る。しかし同じ行動は、かつて群れの一員だった個体の痕跡に対する強烈な記憶反応、あるいは死という現象そのものへの学習的な関心——いわば一種の「死因調査」に近いものとして説明することもできてしまう。感情なのか、それとも人間には想像しにくい別の認知プロセスなのか。少なくとも現時点で、この問いに科学的な決着はついていない。

ちなみに、

骨のそばに近づいたゾウたちは、ふだんとは様子が違い、不自然なほど物静かになるという。日頃の群れは低い鳴き声で絶えず互いに合図を送り合っているのに、遺骨の前ではその会話がぴたりと止む。何を語り合っているのかは誰にも分からないが、少なくともそこには、いつもの騒がしい群れとは明らかに違う、張り詰めた空気が漂っているようだ。

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