配信: 2026-08-29 07:00(JST)
朝刊
文化第114号

ロシアの最高権力者、なぜか「禿げ」と「フサフサ」が交互に現れる

チナミニチンチラが読み上げます(3分36秒)

政治家の風貌や髪型は個人の体質の問題であって、国のリーダーとは何の関係もない――普通はそう考える。誰がどんな髪型で就任しようと、それは偶然の産物であり、後任の見た目を予測する材料になるはずがない。

ところが、ロシアの最高権力者を歴代順に並べてみると、奇妙なことに「禿頭」と「フサフサ」がきれいに交互に現れているのである。ロシアではこの現象は冗談まじりに「つるふさの法則」(ハゲフサの法則)と呼ばれ、ジョークとして広く知られている。英語圏の記事によれば、この規則性は1825年に即位したニコライ1世以来、途切れずに続いているという。

具体的に並べてみよう。19世紀前半のニコライ1世は禿頭、続くアレクサンドル2世はフサフサ、その後のアレクサンドル3世は禿頭、ニコライ2世はフサフサ――ときて、革命後のソ連指導者に代替わりしてもこの流れは途切れない。レーニンは禿頭、スターリンはフサフサ、フルシチョフは禿頭、ブレジネフはフサフサ、アンドロポフは禿頭、チェルネンコはフサフサ、そして額の赤いあざで有名なゴルバチョフは禿頭。ソ連崩壊後もこの法則は生きていて、白髪フサフサのエリツィン、禿頭のプーチン、フサフサのメドベージェフ、そして禿頭のプーチン再登板――と、実に200年近くにわたって禿頭とフサフサが入れ替わり立ち替わり最高権力の座に就いてきた。

もちろんこれは統計的な偶然に過ぎず、科学的な法則でも、後継者選びの基準でもない。ロシアという国が広大で、しかも権力継承の形式が世襲、クーデター、党内選出、選挙とバラバラであることを考えれば、髪型という一点だけがこれほど揃うこと自体が出来すぎとも言える。だからこそロシア国内外で都市伝説的なジョークとして愛され、次の指導者が禿頭かフサフサかで「法則が続くかどうか」を話のタネにする人までいるという。プーチンの後継者候補が話題になるたびに、この法則を持ち出して「次はフサフサのはず」と冗談交じりに予想する報道や論評が繰り返し登場してきた。

ちなみに、

この手のパターン探しはロシアに限った話ではない。アメリカ大統領選でも「身長の高い候補が勝つ」といった俗説が昔から語られてきたが、母数が少なければ少ないほど、こうした偶然の一致は簡単に見つかってしまう。つるふさの法則も、20人に満たない指導者のサンプルで「たまたま」交互になっているだけ、という見方が大勢だ。それでも一度知ってしまうと、次に誰が実権を握るのか気になったとき、真っ先に髪型を確認したくなるのが人間の面白いところだろう。

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