夕刊
記録に残る世界最古のクレームは、紀元前1750年
チナミニチンチラが読み上げます(2分38秒)
頼んだ品質と違う。担当者の態度も悪い。金は払ったのに現物が届かない——カスタマーサポートに届く苦情の型は、だいたいこの三つに収まる。では、その型のクレームの最古の記録はいつのものか。なんと、紀元前1750年頃である。
証拠品は、イラク南部の古代都市ウルの遺跡から出土した、高さ11.6センチ、幅5センチほどの粘土板。書き手はナンニという客で、宛先はエアナーシルという銅商人。楔形文字でびっしり刻まれているのは、買った銅が粗悪品だったという苦情だ。ギネス世界記録はこれを「世界最古のクレーム文」として認定している。発見したのは、1920年代からウルを掘っていた考古学者レナード・ウーリー。粘土板はその後、大英博物館の所蔵品になった。
ナンニの言い分はこうだ。代金を持たせた使いの者を送ったのに、出されたインゴットは約束された品質ではなかった。エアナーシルはそれを使いの者の前に並べて「要るなら持っていけ、要らないなら帰れ」と突き放したという。使いの者は乱暴に扱われ、こちらは支払い済みなのに銅は手元にない。そしてナンニは最後にこう宣言する。今後あなたから良質でない銅は受け取らない、インゴットは自分の庭で一本ずつ選ばせてもらう、と。怒りの表明と、取引条件の再設定。3700年以上前の文書なのに、組み立て方が現代のクレームメールとほとんど同じである。
ちなみに、
エアナーシルの住居跡とみられる場所からは、別の粘土板も見つかっている。アルビトラムという人物が銅がまだ届かないと訴えるもの、そして粗悪な銅を受け取るのはもううんざりだと書かれたもの。世界最古のクレームを受け取った男は、どうやら常習犯のだったようだ。
この話、知ってた?
うまく送れませんでした。もういちど押してみて
…