ことば第192号夕刊

「じゃがりこ」の「りこ」は、開発者の友人の名前だった

チナミニチンチラが読み上げます(2分53秒)

日本人なら誰もが知る国民的お菓子、「じゃがりこ」。「じゃがりこ」の「りこ」を、なんとなく可愛い響きのために付けられた造語の一部だと思っている人は多いだろう。じゃがいもの「じゃが」に、語呂のいい音をくっつけた——そんなイメージではないだろうか。

実際には、この「りこ」は実在する女性の名前が由来である。しかも、開発担当者の友人の名前だ。

発売は1995年。コンセプトは、女子高校生がかばんに入れて持ち歩けるお菓子。袋入りではなく、箱やカップに入った、中身も容器もそれまでのカルビーにはないタイプの商品ができあがった。その新しいお菓子を、開発担当者の友人である「りかこさん」が、とてもおいしそうに食べていた。その姿を見て、担当者は商品名を思いついたのだ。

じゃがいも + りかこ → じゃがりかこ → じゃがりこ。

カルビーの公式FAQには、この矢印がそのまま掲載されている。「じゃがりかこ」から「か」が抜け落ちて、「じゃがりこ」になった。語感から計算された名前ではなく、友人の名前から出たダジャレである。

さらに興味深いのは、この名前が実際の売り場でのテストを勝ち抜いていることだ。テスト販売の時点での商品名は「じゃがスティック」だった。箱型とカップの2つのパッケージを用意し、「じゃがスティック」と「じゃがりこ」の両方で売ってみる。2つの異なる名前でテスト販売するのは、カルビーの中でもめずらしい取り組みだったという。そして選ばれたのは、友人の名前のほうだった。

その後、「りこ」は型になった。妹分ブランドとして企画された『えだまりこ』『とうもりこ』は、最初からネーミングを「〇〇りこ」とすることが決まっていたという。友人の名前の断片が、ブランドの共通ルールになってしまったのだ。

ちなみに、

パッケージのキリンにも名前がついている。「食べだしたらキリンがない」というダジャレから生まれたキャラクターで、サラダのおとうさんが「じゃがお」、チーズのおかあさんが「りかこ」。りかこさんは商品名だけでなく、パッケージの中にも住んでいるのである。

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