食第196号夕刊

53年間毎日ビッグマック。合計3万5000個以上食べた男。

チナミニチンチラが読み上げます(3分39秒)

毎日同じものを食べ続ける人は、世の中にそれなりにいる。朝はトースト、昼は決まった定食屋。ただ、それが半世紀を超えて、しかも1日2回ペースとなると話は変わってくる。

アメリカ・ウィスコンシン州フォンドゥラックに住むドナルド・ゴースキーは、2025年3月15日、生涯で3万5000個目のビッグマックを食べた。始まりは1972年5月17日。初めて自分の車を買った日、彼はマクドナルドに立ち寄り、その日のうちに何個も平らげた。後部座席に空き箱を放り投げたところで、残りの人生はこれだけ食べて生きると決めたのだという。以来ほぼ毎日、昼に1個、夜に1個。53年近くのあいだで食べなかった日は、悪天候や仕事、家族の用事による8日だけである。

驚くのは、その体が平然としていることだ。2018年時点で身長188センチ、体重88キロ、コレステロール値は平均以下。定期健診では血糖値もコレステロールも正常だと、妻のメアリーが証言している。秘訣は本人いわく高い代謝と、毎日9.7キロを歩く習慣。ポテトなどのサイドメニューは基本的に頼まず、朝食も抜いて、総カロリーは平均的なアメリカ人より少ないのだという。ビッグマック以外に口にするのは、夜にアイスクリームやスナックを少しつまむ程度だ。

記録として成立しているのは、彼が徹底した記録魔だからでもある。買ったハンバーガーの空き箱とレシートを一つ残らず保管し、壁のカレンダーにその日食べた個数を書き込んでいく。1972年のあの日に放り投げた最初の3つの箱も、いまだに手元にある。本人はこの執着を強迫性障害によるものだと説明している。

きっかけになったのは、1970年版のギネス世界記録の本だった。毎日ハンバーガーを食べ続けることなら、確実に達成できると確信したという。実際いまでは、史上最も長く継続している記録の一つになった。50年を超えてなお同じ食事を続ける自分について、彼は「時間はどこへ行ってしまったんだろう」と語っている。

記録に挑もうとする人への助言も残している。曰く、やめておけ。挑戦者が追いつく前に自分は死んでいる、と。

ちなみに、

彼がビッグマック以外のハンバーガーを口にしたのは、人生で2回だけ。どちらも1984年のことで、それ以外で他のチェーンの味は試したいとも思わなかったという。ついでに、プロポーズの場所もマクドナルドの駐車場だった。

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